かぜ　の　かみさま　を、おまつり　して　ある　じんじゃ　が　ありました。

これから　たび　を　する　ひと　は、この　じんじゃ　に　おまいり　を　して　から　たび　に　でて　いく　のです。

ある　おとこが、しんでん　で　て　を　あわせて、

「あす、　ふね　で　にし　の　くに　に　たびだちたい　ので、どうぞ　にしかぜ　を　ふかせて　ください　ませ」

と、いいながら、いのって　おりました。

すると、そば　に　いた　かんぬし　さん　が、

「それでは、しゅっぱつ　を、に・さんにち、　さきに　のばし　なされ」

と、いいます　ので、

「いやいや、どうしても　あすじゅう　に　しゅっぱつ　したい　のです」

と、いうと、

「それでも、あす　の　にしかぜ　は、あさ　きた　ひとが　たのんで　かえられました　ので、しなぎれ　です」

おしまい