この おはなし を よみました ♪
『 やみよ の からす 』 にほん の むかしばなし (えど こばなし)
やみよ の からす
むかし むかし、 きっちょむ さん と いう、 とても ゆかい な ひと が いました。
ある ひ の こと、 きっちょむ さん が まち へ やさい を うり に いってみる と、 だいく の くまさん が、 せがれ の さだぼう の えりくび を つかんで おおごえ で どなって います。
この くまさん、 だいく の うで は いい の ですが、 とても おこりっぽい ひと です。
えりくび を つかまれた さだぼう は、
「ごめんなさい、ごめんなさい」
と、 ないて あやまって います が、 くまさん は ゆるそう とは しません。
こどもずき な きっちょむさん は、 ふたり の あいだ に わって はいりました。
「まあまあ、 くまさん。 いったい、 どうした と いうんですか?」
すると くまさん は、 すみ で まっくろ に ぬりつぶされた、 え を えがく きぬ の ぬの を みせて、
「きっちょむさん、これ を みて くれよ。
わし は え が すき だから、 え の せんせい に なにか を えがいて もらおう と おもって、 この えぎぬ を かって きて おいたんだ。
すると さだぼう の やつ が、 いたずら を して こんなに すみ を ぬって しまったんだ。
これでは つかいもの に ならない」
「なるほど。 ちょっと、 みせて ください」
きっちょむさん は その えぎぬ を うけとって、 つくづく と ながめてから いいました。
「くまさん、 さだぼう は、 とても え が うまいね」
「な、 なんだって?」
「さだぼう は、 いたずら を したんじゃなくて、 やみよ に からす が いる ところ を えがいたんだ よ」
「えっ? やみよ の からす だって? ・・・なるほど、だから まっくろ と いうわけ か。 わはははははっ」
きっちょむさん の とんち に、さすが の くまさん も、おなか を かかえて わらいだしました。
そして、 すっかり きげん を なおした くまさん は、
「さだぼう、 もう、 やみよ の からす を えがくんじゃない ぞ」
と、 ゆるして やりました。
おしまい
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