この おはなし を よみました ♪
『 たつ の こ たろう 』 にほん の むかしばなし
たつ の こ たろう
むかし むかし、 ある やまざと に おばあさん と たろう と いう こども が すんで いました。
あるひ、 たろう は おばあさん に たずね ました。
「おばあさん、 ぼく の おかあさん は どこ に いる のか、 おしえて ください」
「もうすこし おおきく なったら おしえて あげる。 それまで がまん しなさい。」
ある なつ の ひ、 たろう は むら の こどもたち と いっしょ に やま の なか の みずうみ に およぎ に いきました。
みずうみ の なか に とびこんだ たろう は まるで さかな の ように じゆう に およぐ こと が できました。
「たろう、 おまえ の おかあさん は りゅう だって ぞ。 はやく およげる のは あたりまえ だ。 おまえ は りゅう の こ。」
と こども の ひとり が いいました。
その ことば が いつも あたま から はなれません でした。
あるひ、 たろう が はたけ で はたらいて いる と、 むらびと が みずうみ を ゆびさして いいました。
「たろう、 あの みずうみ の みず を ながして、 ひろい たんぼ を つくって くれ。 そうすれば こめ が とれる。」
たろう は いつか そう する けっしん を しました。
すうねん が たち、 たろう は りっぱ な しょうねん に なりました。
おばあさん は たろう に ほんとう の こと を いう ひ が きました。
「たろう、 おどろかないで くれ。
おまえ の ちち は やま に すんでいる はくりゅう で、 おまえ の はは は みずうみ に すんでいる さいりゅう だ。
だから おまえ は かみ の こ だ。
おまえ の はは は、 おまえ を うんだとき、 わたし に かみ の こ では なく にんげん の こ と して そだてて ほしい と あずけた。
おまえ は、 ちから が ある ばかり で なく、 ひと の きもち が わかり、 ちえ も ゆうき も ある。
あの みずうみ の みず を ながして、 ひろい たんぼ を つくって くれ。」
「ほんとう の こと を いって くれて ありがとう。
ともだち に りゅう の こ だ と いわれて きている から、 かくご は できて いました。
おかあさん と ちから を あわせて、 みずうみ の みず を ながして、 ひろい たんぼ を きっと つくる。」
と たろう は いいました。
つぎ の あさ、 たろう は みずうみ の ほとり で ははおや を よびました。
とつぜん、 みずうみ が おおきく ゆれて、 りゅう が すがた を あらわしました。
「たろう、 わたし は おまえ が りっぱ に そだつ のを みずうみ の なか から みて いました。
いちにち でも おまえ の こと を わすれた こと は ありませんでした。」 と ははおや が いいました。
「おかあさん、 どんな に おかあさん に あいたかった こと か。
ぼく は おかあさん と ちから を あわせて、 みずうみ の みず を ながして、 ひろい たんぼ を つくって、 むらびと に おれい を したい。」
そう いうや いなや、 たろう は みずうみ に とびこみ、 おかあさん の せなか に とびのり ました。
「いいとも、 おまえ と いっしょ なら どんな こと でも できる よ。
おかあさん は いわ に ぶつかって あな を あける。
そのため め が つぶれる かも しれない から、 おまえ は せなか の うえ で しっかり かじ を とって おくれ。」
せなか に たろう を のせた りゅう は みずうみ の なか に もぐる と、 あらんかぎり の ちから を こめて いわ に ぶつかりました。
その おと は いくにち も つづき、 ははりゅう の め は つぶれ、 みずうみ は ち で あかく そまりました。
とうとう いわ は おおきな おと と ともに くだけ、 みずうみ の みず が たき の ように ながれ だし ました。
そして たろう を のせた ははりゅう は てん に のぼって いきました。
おしまい
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