この おはなし を よみました ♪
『さんびき の やぎ の がらがらどん』
せかい の むかしばなし (のるうぇ−)
さんびき の やぎ の がらがらどん
むかし むかし、 あるところ に、 さんびき の やぎ が いました。
いちばん ちいさい やぎ は、 がらがらどん と いう なまえ でした。
ちゅう くらい の やぎ は、 がらがらどん、 と いう なまえ でした。
とっても おおきい やぎ は、 がらがらどん、 と いう なまえ でした。
さんびき とも、 がらがらどん、 と いう なまえ だった のです。
さて あるひ の こと、 さんびき の がらがらどん は、 やま の むこう へ くさ を たべ に いく こと に しました。
やま の むこう の くさ は、 やわらかくて おいしくて、 たベたら きっと げんき で じょうぶ に なれる でしょう。
さんびき の がらがらどん が あるいて いく と、 とちゅう に ふかい たに が あって、 はし が かかって いました。
「ちいさい はし だ なあ。 さんびき いっしょ には わたれない や」
そこで さいしょ に、 ちいさい やぎ の がらがらどん が、 ことこと、 ことこと、 はし を わたりました。
はし の まんなか まで くる と、 ふかい たにぞこ から、
「こらー! わし の はし を だまって とおる のは、 だれ だ!」
と、 いう こえ が して、 おそろしい まもの が でて きました。
「ぼく です。 ちいさい やぎ の がらがらどん です。
やま の むこう へ くさ を たべ に いくんです」
「ちいさい やぎ の がらがらどん だ と?
だまって わし の はし を とおった から には、 くさ なんか たベ に いかれない ぞ。
おれさま が おまえ を たべるんだから な!」
「まっ、 まって ください。 ぼく は こんな に ちいさいんです。
うしろ から、 もっと おおきい やぎ が きます。
どうせ たべるんなら、 おおきい やぎ の ほう が おいしい です よ」
ちいさい やぎ の がらがらどん は、 ちいさい こえ で いいました。
「そうか、 じゃあ、 つぎ に くる やつ を まつ と しよう。
さっさ と いっちまえ」
やがて、 ちゅうくらい の やぎ の がらがらどん が、 ごとごと、 ごとごと、 はし を わたって きます。
はし の まんなか まで くる と、
「こらー! だまって わし の はし を とおる やつ は、 だれ だ!」
と、 まもの が でて きました。
「ぼく です。 ちゅう くらい の やぎ の がらがらどん です。
やま の むこう へ くさ を たべ に いくんです」
「ざんねん だ な、 ちゅうくらい の やぎ の がらがらどん。
おまえ が くさ を たべる まえ に、 わし が おまえ を たべるんだ」
まもの は、 おおきな くち を ぱくっ と あけました。
「まって ください。 ぼく の あと から、 もっと おおきい やぎ が きます。
どうせ たベるんなら、 おおきい ほう が おいしい です よ」
ちゅうくらい の やぎ の がらがらどん が、 ちゅうくらい の こえ で いいました。
「そうか、 じゃあ、 まってる と しよう。 さっさ と いっちまえ」
やがて おおきい やぎ の がらがらどん が、 どしどし、どしどし、 はし を わたって きました。
「こらー! だまって わし の はし を とおる のは、 だれ だ!」
まもの が でて きました。
「ぼく だ。 おおきい やぎ の がらがらどん だ」
「ようし、 たベて やる から かくご しろ」
まもの は、 おおきな くち を ぱくっ と あけました。
「ふん、 たべられるもんか。 ぼく は おおきい やぎ の がらがらどん で、 りっぱ な つの も はえてる し、 つよい つめ も もってる ぞ。
さあ こい!」
おおきい やぎ の がらがらどん は、 まもの に むかって つきすすみ ました。
どしーん!
きらきら ひかる にほん の つの が、 まもの の め を さしました。
「うぎゃーーーー!」
どんなに つよい まもの でも、 め を つぶされて は かないません。
おおきい やぎ の がらがらどん は、 ゆうゆう と はし を わたりました。
そうして、 やま の むこう の そうげん に ついた さんびき の がらがらどん は、 おいしい くさ を たくさん たべる こと が できました。
おしまい
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