この おはなし を よみました ♪

『Go to the Japanese sentence with 漢字          さいごの真珠』 

 さいご の しんじゅ』  あんでるせん どうわ


さいご の しんじゅ 

 

 むかし むかし、 ある おかねもち の いえ で こども が うまれ、 いえじゅう が しあわせ に つつまれて いました。

きぬ の かーてん を ひいた へや には、 おかあさん と こども が ぐっすり と ねむっています。

こども の うえ には、  しんじゅ を ちりばめた、 あみ の ような もの が ひろげて ありました。

それは  しんせつ な ようせいたち が  もってきた  しあわせ の  おくりもの で、 ひとつひとつ の しんじゅ が、 

『けんこう な からだ』 や 『おいしいごちそう』 や 

『たのしい あそび』 や 『なか の よい おともだち』 など  を       

あらわして いる のです。

この いえ を まもって いる かみさまが、 にっこり わらって いいました。

「これで、 ぜんぶ の おくりもの が そろい ました ね」

すると、 こども を まもる かみさま が こたえました。

「いいえ、 まだ ひとり の ようせい が、 おくりもの を もって きて いません。

さいご の しんじゅ が たりない のです」

「なんということ だ。 このこ の しあわせ に、 たりない もの が あっては ならない。

いま すぐ に、 その ようせい を さがさなくては」

いえ を まもる かみさま の ことば に、 こども を まもる かみさま が おちつく ように いいました。

「そんなに あわてなくて も、 いつか かならず きますよ」

「いいや、 まっている ぐらい なら、 わたし が とり に いこう。

どこ へ いけば よい の だ?」

すると こども を まもる かみさま は、 しかたなく いいました。

「そこまで いう の なら、 さいご の ようせい の いる ところ へ つれて いって あげましょう」

こども を まもる かみさま は、 いえ を まもる かみさま の て を とって とんで いきました。

そして とびながら、 さいご の ようせい の こと を はなしました。

「さいご の ようせい は、 きまった ところ に いません。

おうさま の いえ にも、 まずしい ひと の いえ にも、 だれ の いえ にも かならず さいご の おくりもの を もっていく の です。

たしか いま は、 この あたり の いえ に きている はず です。 ・・・ああ、 ここ です」

こども を まもる かみさま が あんない した のは、 まちはずれ の おやしき の おおきな くらい へや でした。

その へや には、 おとうさん と こども たち だけ しか いません。

いちばん ちいさい こ は、 おとうさん に だかれて います。

じつは、 この いえ の おかあさん が たった いま、 びょうき で しんで しまった のです。

こどもたち の ほっぺた は なみだ に ぬれて、  しくしく と なく  こえ が へや を つつんで います。

いえ を まもる かみさま が、 こども を まもる かみさま に いいました。

「ここ には、 いい おくりもの を もっている、 さいご の ようせい は いません ね」

「いいえ、 ここ に います よ」

こども を まもる かみさま は、 へや の すみ を ゆびさし ました。

それは、 おかあさん が こどもたち を ひざ に のせて、 うた を うたって あそばせて いた いす です。

その いす には、  みしらぬ おんな の ひと が ながい ふく を     きて こしかけて います。

こども を まもる かみさま は、 そっと いいました。

「あの ひと が さいご の ようせい。 かなしみ の ようせい です」

その とき、 かなしみ の ようせい の め から なみだ が ひとしずく こぼれおちて、 みるみるうち に  なないろ に かがやく しんじゅ に なりました。

こども を まもる かみさま は、  その  しんじゅ を  すくいとって いいました。

「この しんじゅ は、 かなしみ です。

これで、 あの こども の おくりもの は ぜんぶ そろいました。

ひと は かなしみ を しると、  ほんとう の しあわせ が わかる ように なり、 じぶん にも ほか の ひと にも やさしく して あげられるのです。

それが、 さいご の しんじゅ なのです」

こども を まもる かみさま と いえ を まもる かみさま は しんじゅ を て に のせる と、 こども の ねむる いえ へ と とんで かえりました。
 


 

おしまい 

 


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ふりがなTranslated by :ひらひらのひらがなめがね 

 


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