この おはなし を よみました ♪
『ぱんどら の はこ』
せかい の むかしばなし ぎりしゃ しんわ
ぱんどら の はこ
むかし むかし、 ぎりしゃ の かみ ぜうす は、 きょじん の ぷろめてうす を よんで いいつけ ました。
「ねんど で、 われわれ と おなじ すがた を した いきもの を つくれ。
わし が いき を ふきこんで、 いのち を あたえて やろう」
ぷろめてうす が いいつけ どおり の いきもの を つくる と、
ぜうす は それ に いのち を ふきこんで にんげん と なづけ ました。
つぎ に ぜうす は、 ぷろめてうす に こんな めいれい を しました。
「にんげん に いきて いく ため の、 ちえ を さずけて やれ。
ただし、 ひ を つかう こと を おしえる な。
ひ は、 われわれ かみがみ だけ の ちから。
にんげん に ひ を つかう こと を おしえる と、 われわれ の て に おえなく なる かも しれん から な」
こうして ぷろめてうす は、 にんげん に いえ や どうぐ を つくる こと、 こくもつ や かちく を そだてる こと、
ことば や もじ を つかう こと など を おしえました。
しかし ひ が なくては、 もの を やく こと も にる こと も できません。
いつも さむさ に ふるえ、 まっくら な よる は どうぶつ たち に おそわれる きょうふ に おびえて いました。
そこで ぷろめてうす は ぜうす の いいつけ に そむいて、 にんげん に ひ を あたえる こと を けっしん しました。
ぷろめてうす は おとうと の えぴめてうす を よぶ と、 こう いいました。
「おれ は にんげんたち を、 とても あいして いる。
だから にんげんたち に、 ひ を あたえる つもり だ。
だが それは、 ぜうす の いかり に ふれる こと。
おれは ぜうす に、 ほろぼされる だろう。
だから おまえ が、 おれ の かわり に にんげん を みまもって やって くれ」
ぷろめてうす は そう いう と、 たいよう から ぬすみ だした ひ を にんげん に あたえた のです。
そして おこった ぜうす に やま に つながれて、 わし に くいちらされて しまいました。
まもなく ぜうす は、 しょくにん の かみ へぱいすとす に めいじて、
この よ で いちばん うつくしい ぱんどら を つくらせると、
えぴめてうす の ところ へ つれて いかせました。
にんげん に ひ を もたらした ばつ に おくりこまれた とも いえる ぱんどら には、
かみがみ から さまざま な おくりもの を さずけられて いました。
び の めがみ あふろでぃーて から は うつくしさ を、 あぽろん から は おんがく と いやし の ちから を、
そして なにより ぜうす は、 ぱんどら に こうきしん を あたえて いた のでした。
えぴめてうす は ぱんどら の うつくしさ に こころ を うばわれると、 ぱんどら を じぶん の つま に しました。
えぴめてうす の いえ には、 ぷろめてうす が のこして いった おうごん の はこ が ありました。
おうごん の はこ は、 びょうき、 ぬすみ、 ねたみ、 にくしみ、 わるだくみ など、 この よ の あらゆる あく が とじこめられて いて、
それら が にんげん の せかい に いかない よう に して いた のです。
ぷろめてうす は えぴめてうす に、
「この はこ だけ は、 けっして あけて は ならない」
と、 いって おいた の ですが、 ぱんどら は この うつくしい はこ を みるなり、
なか には きっと すばらしい たからもの が はいって いる に ちがいない と おもいました。
そこで おっと に はこ を あけて ほしい と たのみました が、 えぴめてうす は あに と の やくそく で、
けっして くび を たて に ふりません。
すると ぱんどら は、 「あなた が はこ を あけて くださらなければ、 わたし は しんで しまいます」 と、 いいだした のです。
そこで えぴめてうす は しかたなく、 あに と の やくそく を やぶって はこ を あけて しまいました。
その とたん、 はこ の なか から は びょうき、 ぬすみ、 ねたみ、 にくしみ、 わるだくみ など の あらゆる あく が、
にんげん の せかい に とびちった のです。
えぴめてうす が あわてて ふた を しめます と、 なか から よわよわしい こえ が しました。
「わたし も、 そと へ だして ください・・・」
「おまえ は、 だれ なの?」 ぱんどら が たずねる と、
「わたし は、 きぼう です」 と、 なか から こえ が かえって きました。
じつは ぷろめてうす が、 もしも の ため に はこ に しのびこませて おいた のです。
こうして にんげんたち は、 たとえ どんな ひどい め に あって も、 きぼう を もつ よう に なった のです。
おしまい
( この しんわ から、 ぱんどら の はこ と いう ことば は、
「あけて は いけない もの」
「わざわい を もたらす ため に ふれて は いけない もの」
を いみ する ように なりました。)
If you want to read the Japanese sentence with 漢字, click the picture of story, please^^
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