おおかみ が　きた！

ある　むら　に、　ひつじかい　の　おとこのこ　が　いました。

くる　ひ　も　くる　ひ　も、　しごと　は　ひつじ　の　ばん　ばかり。

おとこのこ　は　あきあき　して　しまい、　ちょっと　いたずら　を　したく　なりました。

そこで　おとこのこ　は、　とつぜん　おおごえ　を　あげました。

「たいへん　だ！　おおかみ　だ。　おおかみ　だー！」

むらびと　が　おどろいて、　かけつけて　きました。

それ　を　みて、　おとこのこ　は　おおわらい。

なんにち　か　して、　おとこ　は　また　おおごえ　を　あげました。

「たいへん　だ！　おおかみ　だ。　おおかみ　だー！」

むらびと　は、　こんど　も　とびだして　きました。

おとこのこ　は　それ　を　みて、　また　も　や　おおわらい。

ところが　ある　ひ、　ほんとう　に　おおかみ　が　やってきて、　ひつじ　の　むれ　を　おそいました。

おとこのこ　は　あわてて、　さけびごえ　を　あげました。

「おおかみ　が　きた！　おおかみ　が　きた！　ほんとう　に　おおかみ　が　きたんだ　よー！」

けれども　むらびと　は、　しらんぷり　です。

なんども　うそ　を　いう　おとこのこ　を、　だれ　も　しんじよう　とは　　しなかった　のです。

かわいそうに、　おとこのこ　の　ひつじ　は　おおかみ　に　みんな　　　たべられて　しまいました。

この　おはなしは、　うそつき　は　たとえ　ほんとう　の　こと　を　いっても、　だれ　も　しんじて　くれない　こと　を　おしえて　います。

おしまい