この おはなし を よみました ♪
『 おに が のこして いった かなぼう 』
にほん の むかしばなし (せつぶん の おはなし)
おに が のこして いった かなぼう
むかし むかし、 あるところ に、 とても びんぼうな ふうふ が いました。
ふうふ は まいにち、 いっしょうけんめい はたらく のですが、 どう がんばっても びんぼう の まま です。
ある せつぶん の ひ の こと、 せつぶん の まめまき を しよう と おもった ふうふ は、
「どうせ ふく を よんでも、 わしら には ふく は こない のだから、 ことしは いっそのこと、 おにを まねいて みよう では ないか」
「そうですね。 こない ふく を よんでも、 しかたありません から ね」
と、 はなしあって、 こんな まめまき を しました。
♪おに は〜 うち、 ふく は〜 そと
♪おに は〜 うち、 ふく は〜 そと
さて、 その よるの こと です。
どんどん! どんどん!
だれか が いえ の と を たたくので ふうふ が と を あけてみる と、 なんと いえ の そと には あかおに と あおおに が たっていた のです。
おにたち は、 にっこり わらって いいました。
「どうも、 こんばんは。 『おには〜 うち』 と、 わしらを よんでくれた のは、 おまえさんたち か?」
ふうふは びっくり して こし を ぬかしそう に なりました が、 にこにこ わらっている おにたち を みて きもち を おちつかせる と、
「はい。 たしかに 『おには〜 うち』 と まめまき を しました」
と、 こたえました。
「そうか そうか。 しって の とおり きょうは せつぶん で、 わしらは どこへ いっても まめ を なげつけられて たいへん だった。
ところが うれしい ことに、 おまえさんたち は 『おには〜 うち』 と よんでくれた。
それで、ここへ にげて きたんだ。 ・・・ほかにも なかま が いるのだが、 はいって も いいか?」
「はっ、はい。 どうぞ どうぞ。 たいした おかまい も できません が」
ふうふ は おにたち を いえに いれると、 とっておき の おさけ や りょうり で おにたち を もてなしました。
さて、 そのうちに あさが きて、 となりの いえの いちばんどり が、
こけこっこー! と、 なきました。
それを きいた おにたちは、 びっくり した かおで のぼってきた たいよう を みると、
「いかん! もう こんな じかん に なって しもうた。 では、 せわに なりました」
と、 あわてて かえって いきました が、 あんまり あわてて いた ため か、 だいじな おにの かなぼう を わすれて いったのです。
「あれ。 あの おにたち、 かなぼうを わすれて いきおった」
「あら、 ほんとうに。 でも まあ、 そのうち とりに くるでしょう」
ふうふ は おにが いつ かなぼう を とりに きても いいように と、 かなぼう を たいせつに しまって いました が、 いつまで たっても おにたちは かなぼう を とりに きませんでした。
さて、 その はなしが ひょうばん に なって、 ふうふの いえ には あちらこちら から おにの かなぼうを みにくる ひとたちが やってきました。
そこで ふうふは、やってくる ひとびとに おちゃ や だんごを うった ので、 やがて むら いちばん の おかねもちに なったのです。
もしかすると おにたちは、 わざと かなぼうを おいていった の かも しれません ね。
おしまい
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