この おはなし を よみました ♪
『 おむすび ころりん 』 にほん の むかしばなし
おむすび ころりん
昔々、 ある ところ に、 とても やさしい おじいさんが住んでいました。
おじいさん は 毎日、 山 へ しばかり に 行って いました。
「やれやれ、 もう 日 も 高く なった よう じゃ。 そろそろ お昼 に しよう か の」
おじいさん は、 そう いう と、 弁当 を 広げて 食べはじめ ました。
おじいさん が、 お弁当 を 食べて いる と、 おにぎり が 一つ 落ちて しまいました。
おむすび は、 ころころ、 ころころ と 山 を 転がって 落ちて いきました。
「おいおい、 おむすびさん。 待って おくれ」
おじいさん は、 あわてて おむすび を 追いかけ ました。
おむすび は、 どんどん 転がって いきました。
おじいさん も、 いっしょうけんめい 追いかけ ました。
そうして、 谷 の 方 まで 転がって 行った おむすび は、 そこ に あった 穴 の 中 に、 ぽん と 飛んで 入って いって しまいました。
おむすび を 追いかけて きた おじいさん は、
「おや、 こんな ところ に 穴 が ある。 一体、 何の 穴 じゃろう」
と、 穴 の 中 を のぞいて みました。
「ありゃあ」
ところが、 穴 の 中 を のぞこう と した おじいさん は、 足 を すべらして、 穴 の 中 に 落ちて しまいました。
そして、 穴 の 中 を、 ころころ と 転がり 落ちて いきました。
「あいたったった」
穴 の 底 まで 落ちた おじいさん が、 辺り を 見まわす と、 そこ は ねずみ の 家 でした。
ねずみたち が、 おじいさん の 落とした おむすび を、 おいしそう に 食べて いました。
ねずみたち も、 おじいさん に 気 が 付いて、 いいました。
「おじいさん、 この おむすび は おじいさん の でした か。
あんまり おいしい ので、 こんな に 食べて しまいました。
少し しか 残って いません が、 お返し します。」
「いやいや、 そんな に 喜んで もらえる なら、 私 は もう いいから、みんな 食べて おくれ」
おじいさん が そう いう と、 ねずみたち は 喜んで、 おむすび を 全部 食べて しまいました。
「そんな に おいしい の かい。
そんなら、 明日 も おむすび を 持って 来て あげよう」
おじいさん は、 そう いって 帰って 行きました。
次 の 日 の お昼 に なる と、 おじいさん は、 また ねずみ の 穴 の ところ に やってきて、 おむすび を 一つ 落として やりました。
こうして、 毎日 毎日、 おじいさん は ねずみたち に おむすび を 分けて あげました。
そんな ある 日、 おじいさん が おむすび を 持って ねずみ の 穴 の ところ に 来る と、 ねずみたち が 顔 を 出して いいました。
「おじいさん、 いつも ごちそう して くださって、 ありがとうございます。
きょう は、 お礼 に おじいさん を、 私たち の 家 に お招き します。
どうぞ、 入って ください」
おじいさん が、 ねずみ の 穴 に 下りて いく と、 ねずみたち は おじいさん に たくさん の ごちそう を してくれました。
そして、 歌 を 歌ったり、 踊り を 見せて、 おじいさん を 楽しませて くれました。
「いやいや、 ごちそう に なった。
ねずみさんたち、 ありがとう よ。 そろそろ 家 に 帰る と しよう。 おなか いっぱい に なった」
おじいさん が そう いう と、 ねずみたち は、 大きな 袋 を 運んで きました。
「もう、 お帰り ですか。 それなら、 いつも の おむすび の お礼 に、 この ふくろ を おみやげ に 差し上げます。」
ねずみたち は、 そう いって、 大きな ふくろ を おじいさん に あげました。
「ごちそう に なった 上 に、 おみやげ まで くれて、 どうも ありがとう よ。 ねずみさんたち」
おじいさん は、 そう いって、 ふくろ を かついで 帰って いきました。
家 に 帰った おじいさん は、 さっそく ふくろ を 開けて みる と、 中 から 大判、 小判、 さんご など、 たくさん の 宝物 が 出てきました。
こうして、 やさしい おじいさん は、 幸せ に 暮らした そうです。
おしまい
English text + Japanese audio
えいご で よむ + にほんご で きく
Contents もくじ へ
Site Map
※