この おはなし を よみました ♪
『にげだした ぱんけーき』 のるうぇー の むかしばなし
にげだした ぱんけーき
むかし むかし、 ある むら に、 すぐに おなか の すく こどもたち が しちにん いました。
おかあさん は こどもたち に、 おいしい ぱんけーき を やいて います。
みるく で こな を こねて、 おなべ で やく と、 ぱんけーき が ふわっと ふくらみました。
「おかあさん、 はやく たベさせて。 ちょっと で いいから。 おなか ぺこぺこ だよ」
ひとり の こども が いいました。
「ねえ、 おかあさん って、 とっても いい ひと。 だから ぼく に も ね」
にばんめ の こども が、 いいました。
「ねえ、 いい ひと で、 きれいな おかあさん」
さんばんめ の こども も、 いいました。
「ねえ、 いい ひと で、 きれいで、 やさしい おかあさん」
よんばんめ の こども も、 いいました。
「ねえ、 いい ひと で、 きれいで、 やさしくて、 だいすきな おかあさん」
ごばんめ の こども も、 いいました。
「ねえ、 いい ひとで、 きれいで、 やさしくて、 だいすきで、 せかいいち の おかあさん」
ろくばんめ の こども も、 いいました。
「ねえ、 いい ひとで、 きれいで、 やさしくて、 だいすきで、 せかいいちで、 すてきな おかあさん」
ななばんめ の こども も、 いいました。
「はい はい、 もう すぐ よ。 ちょっと まって。 ぱんけーき を ひっくり かえす から ね」
おかあさん が おなべ の なか の ぱんけーき を ひっくりかえそう と したとき、 ぱんけーき は ぴょこん と とびはねて ゆか の うえ に おちると、 くるくる まわりながら とぐち から そと へ はしって いきました。
「あら あら」
おかあさん は、 おなべ と ないふ を もった まま おいかけます。
あと から、 しちにん の こども が おいかけます。
その うしろ から、 おばあさん も よちよち おいかけます。
「まってよう。 ぱんけーき さーん」
「だれか つかまえて!」
みんな で おいかけました が、 ぱんけーき は くるくる ころがって、 ずっと むこうに みえなく なりました。
ぱんけーき は ころがりながら、 てくてく と あるいていく おとこ の ひと に であいました。
「やあ、 こんにちは、 ぱんけーき」
「こんにちは、 てくてくさん」
「おいしそうな ぱんけーき。 そんなに いそいで どこ いくの? たべてやる から、 さあ、おまち」
「ぼく は いま、 くいしんぼ の しちにん の こども と、 おかあさん と、 おばあさん から にげてきた ばっかり さ。
きみ なんか に つかまらない ぞ、 てくてくさん」
ぱんけーき は、 おとこの ひと から どんどん にげて いきました。
こんど は、 めんどり に であいました。
「こんにちは、ぱんけーき」
「こんにちは、ふとっちょ の めんどりさん」
「おいしそうな ぱんけーき。 そんなに いそいで どこ いく の? たべてあげる から、 ちょい、 おまち」
「ぼくは いま、 くいしんぼ の しちにん の こどもと、 おかあさんと、 おばあさんと、 てくてくおとこ から にげてきた ばっかり さ。
きみ なんか に つかまらない ぞ。 ふとっちょ めんどりさん」
ぱんけーき は、 くるま の ように くるくる にげました。
こんど は、 おんどり が やってきました。
「こんにちは、 ぱんけーき」
「こんにちは、 いばりんぼ の おんどりさん」
「おいしそうな ぱんけーき。 そんなに いそいで どこ いくの? たべてやる から、 そら、 おまち」
「ぼくは いま、 くいしんぼ の しちにん の こどもと、 おかあさんと、 おばあさんと、 てくてくおとこと、 めんどり から にげてきた ばっかり さ。
きみ なんかに つかまらないぞ。 いばりんぼ の おんどりさん」
ぱんけーき は、 ものすごく はやく にげました。
こんど は、 あひる が やってきました。
「こんにちは、 ぱんけーき」
「こんにちは、 はらぺこ あひるさん」
「おいしそうな ぱんけーき。 そんなに いそいで どこ いくの? たべてあげる から、 ちょっと、 おまち」
「ぼくは いま、 くいしんぼ の しちにん の こどもと、 おかあさんと、 おばあさんと、 てくてくおとこと、 めんどり と、 おんどり から にげてきた ばっかり さ。
きみ なんかに つかまらないぞ。 はらぺこ あひるさん」
ぱんけーき は、 びゅんびゅん にげました。
こんどは、 がちょう に あいました。
「こんにちは、 ぱんけーき」
「こんにちは、 よたよた がちょうさん」
「おいしそうな ぱんけーき。 そんなに いそいで どこ いくの? たべてあげるから、 それ、 おまち」
「ぼくは いま、 くいしんぼ の しちにん の こどもと、 おかあさんと、 おばあさんと、 てくてくおとこと、めんどりと、おんどりと、あひる から にげてきた ばっかり さ。
きみ なんか に つかまらない ぞ。 よたよた がちょうさん」
ぱんけーき は、 さっさと にげました。
すると、 こんどは ぶた が やってきました。
「こんにちは、 ぱんけーき」
「こんにちは、 でっぷり ぶたさん」
ぱんけーき は、 すぐ にげだしました。
「おーい、 まってくれ。 そんなに いそがないで、 もり を いっしょに さんぽ しようよ。
ひとり より、 ふたり の ほう が たのしい よ」
(なるほど) と、 ぱんけーき は おもって、ぶた と いっしょに ゆっくり あるく こと に しました。
すると かわ に でました が、 どこ にも はし が ありません。
あぶらぶとり の ぶた は、 みず に うかぶ ので およげます。
でも、 ぱんけーき は およげません。
ぶた は いいました。
「いいこと かんがえた よ。 ぼく の はな の うえ に のって ごらん。 かわ を わたして あげるから」
ぱんけーき は、 いそいで ぶた の はな の うえ に のりました。
「ぶーぶー」
ぶた は よろこんで はな を ならすと すぐに、
ぱくん!
と、 ぱんけーき を たベて しまいました。
おしまい
If you want to read the Japanese sentence with 漢字, click the picture of story, please^^
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