この おはなし を よみました ♪

Go to the Japanese sentence with 漢字          『なぞなぞ絵てがみ』

『 なぞなぞ えてがみ 』 にほん の むかしばなし 


なぞなぞ えてがみ

 

 むかし むかし、 ある まち の みせ に、 むら から とついで   きた およめさん が いました。

およめさん は よく はたらき、 きだて も よくて、 もうしぶん ない の です が、 あいにく もじ の よみかき が できません。

ある ひ の こと、 この およめさん が、 ひさしぶり に むら の おかあさん の ところへ さとがえり する ことに なりました。

およめさん に、 おみやげ を もたせた おっと は、

「おっかさん に、 この てがみ を もって いきなさい」

と、ふで と かみ を とりました。

「あの、 うちの おっかさん も、 よみかき が できません。 すみませんが、 じ の てがみ で なく、 えてがみ に してください」

「わかった。 じゃあ、 えてがみ に しよう」

おっと は かみ に、 『いっしょう ます』 と、 『くさかり がま』 と、 『おんな の ひと の きもの に かみつき そうな いぬ』 を、 さらさらっと え に して、 およめさん に わたしました。

さて、 それから すうじつご。

「おっかさん、 ただいま」

「まあまあ、 よく かえってきて くれた ね。 さあ、 ゆっくり して   いって おくれ。 で、 どうだい? まち で の くらし は?」

「はい。 おっと は やさしく してくれる し、 おみせ は はんじょう している し、 まいにち が とても たのしくて ね。 

それで つい、 かえるのが おそく なって・・・」

およめさん は、 つもる はなし を してから、

「あっ、 そうそう。 おっと から、 えてがみ を あずかって きました よ」

と、おかあさんに、 えてがみ を さしだし ました。

それ を うけとった おかあさんは、 えてがみ を みて くび を かしげます。

「はて、 『いっしょう ます』 と、 『くさかり がま』 と、 『おんなの ひとの きもの に かみつきそうな いぬ』。

なんの こと やら、 よみとれません よ」

そこで、 おかあさん と およめさんは、 となりに すむ ものしり の おじいさんに、 この えてがみ を よみといて ほしい と たのみました。

すると、

「ふむ、 ふむふむ。 きのどく じゃが、 これは、 わかれ の てがみ りえんじょう じゃ よ」

と、 いうのです。

「まさか、 そんなこと は・・・。 でも・・・、 そんなあ・・・」

およめさんは かなしくなり、 しくしく と なきだしました。

「なにかの まちがい です。 ちゃんと、 よみといて ください」

おかあさんが いうと、 おじいさんは えてがみ を おかあさんに  みせて いいました。

「いいかい。 『いっしょう ます』 は、 いっしょう の こと。 『くさかり がま』 と 『いぬ』 で、かま わん、 となる。

つまり だ、 『おまえ の ことは、 いっしょう かまわん から、 かえって こなくて いい』 と、 いうこと じゃ。

ほんに、きのどく に なあ」

「うわーん!」

およめさんは、 あまりの ことに なきくずれて しまい、 それから  まいにち なきくらして いました。

そんな ある ひ の こと、 おっと が まち から たずねて きました。

「いつまでも、 かえって こないから、 びょうき にでも なったのか と、 しんぱい で やってきた。

いったい、 なにを ないているのだ?」

「だっ、 だって、 えてがみ で 『いっしょう かまわん』 と、 あたしを りえん した では ありませんか」

「ああ? なにを いうのだ! いぬ の え を、 よく みたのか? 

いぬ が、 おんなの きもの の すそ を かもう として おったろう が。 

これは つまり、 『おまえの ことは、 いっしょう かまう だいじ に  する』 との いみ で、 けっして りえんじょう など ではない」

これを きいて、 およめさんは、

「まあ、 うれしい!」

と、 おっと に だきつくと、 なかよく てにてをとって、 まち へ もどって いきました。

おしあわせ に。
 

 おしまい

 

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