この おはなし を よみました ♪
『みつばち まーや の だいぼうけん』 せかい の むかしばなし
みつばち まーや の だいぼうけん
みつばち の まーや は、 きょう、 はじめて す の そと へ とびました。
しばらく いくと、すばらしい におい の ばら を みつけました。
そっと とまる と、 はなびら の なか から ばらこがね が でて きました。
「こんにちは」
ばらこがね は まーや が きにいって、 ばら の みつ を おなか いっぱい ごちそう して くれました。
まーや は いちにち じゅう とびまわって、その ひ は つりがねそう の はな の なかで ねむりました。
つぎ の ひ は あめ でした。
はね が ぬれてしまう ので、まーや が こまって いると、
「ぼく は へいき だ。ぼく は、ばらこがね の なかま。 なまえ は くると」
とくいそう に いい ながら でて きた むし が ありました。
ところが いった とたん、 くると は すべって ひっくり かえって しまいました。
「たすけて、 ぼく は せなか が まるくて、 ひとり では おきられないんだ。 おきられない と、 しんで しまうんだ。 たすけて」
まーや は なんとか して、 くると を たすけよう と おもいました。
いそいで、そば に はえて いた ながい は の くさ を しならせる と いいました。
「さあ、 この は に しっかり と つかまって おきるんだよ、ほら」
まーや は はね が びしょぬれ に なる のも かまわずに、 くると を たすけました。
つぎ の ひは、すばらしい おてんき でした。
まーや は、 ながい あし の ばった に あいました。
ばった の あいさつ は、 とても かわって いました。
「ぼく は」
と、いった とたん に、とんで いって しまって、あらっ と おもって いると、 ぴょーん と もどって きて つづき を いう のです。
つまり こう です。
「ぼく は、『ぴょーん』 ばった さ。 『ぴょーん』 きみ は、 『ぴょーん』 だれ だい?」
ひる に なりました。
おなか の すいた まーや は、 きいちご の あいだ を とんで いました。
そのとき、なにか が ふわり と かた に かかりました。
「なんだろう?」
なんと、それ は くも の いと でした。
まーや は くも に、 つかまって しまった のです。
「もう だめ、 さようなら、 おひさま」
そのとき き の した を、 あの くると が とおりかかりました。
「まーや じゃないか。げんき かい? ・・・うん? あっ! くも の いと だな。 よし、まってろ!」
くると は、 まーや が つるされて いる えだ に いそいで のぼってくると、 まーや を しっかり かかえて とびおりました。
くると は、まーや に たすけて もらった こと を わすれて なかった のです。
「ありがとう、くると」
よる に なりました。
まーや は すばらしい せかい を みました。
ぎんいろ に ひかる くさ の つゆ から うまれる ようせい です。
まーや は よる の あいだ、ようせい と あそんで、うきうき しながら ふるい むくどり の すばこ の そば へ やってきました。
すると、
「ちかよるんじゃない。 あれ は すすめばち の しろ だよ。 いま、 きみたち みつばち の くに を おそう そうだん を して いるんだよ」
むかで が でてきて いいました。
「うわあ、たいへん!」
まーや は みつばち の くに に むかって とびたち ました。
「じょおう さま、 じょおうさま、 すずめばち が せめて きます」
まーや は みつばち の くに へ もどる と いいました。
さあ、 ぐずぐず して は いられません。
「みんなで、じぶん の ばしょ を まもる のです」
じょおうさま の めいれい で、へいたいばち が とんで いきました。
「いりぐち の かべ を しっかり ふさぎなさい。 あつく、 しっかり と です」
たたかい が はじまりました。
おそろしい すずめばち は、 つぎつぎ と おそって きました。
けれど、 まーや の しらせ の おかげ で たたかい の じゅんび が できて いた ので、 たくさん の なかま が やられず に たすかりました。
「よく やりました。まーや、ありがとう」
たたかい が すむ と、 じょおうさま は いいました。
「でも、まーや。もう あそんで ばかり いては いけませんよ」
そうです。
たくさん の こと を しった まーや は、 みんな と いっしょ に みつばち の くに の ために しごと を しなくては いけません。
まーや は もう、 りっぱな いちにんまえ の みつばち に なったのです。
おしまい
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