この おはなし を よみました ♪
『 まほう の びーる 』 にほん の むかしばなし
まほう の びーる
むかし むかし、 ろーすきるで と いう ところ に、 おかねもち の おひゃくしょうさん が ひろい とち を もって いました。
その とち の なか の おか の ひとつ に、 こびと たち が すんで いました。
あるひ の こと、 こびと たち は けっこんしき の おいわい で おおさわぎ を していました。
ところが よる おそく なって から、 あいにく びーる が なくなって しまいました。
そこで ひとり の こびと が、 おひゃくしょうさん の ところ へ いって、 とんとん と と を たたきました。
「こんばんは。 びーる を ひとたる かして くれませんか。
あなた は この あいだ びーる を つくった ばかり だから、 たくさん おもち でしょう。
こんど わたしたち が つくった とき に かならず おかえし します から」
と、 こびと は いいました。
「おまえさん は だれ だ ね? どこ に すんで いるんだ ね?」
と、 おひゃくしょうさん は たずね ました。
「わたし は あそこ の おか に すんで いる もの です」
と、 こびと は こたえました。
「よろしい。 ちかしつ へ いって、 ひとたる もって いきなさい」
と、おひゃくしょうさん は いいました。
こびと は びーる を もって かえって いきました。
それから みっか め の よる、 また こびと が やってきて、 とんとん と と を たたきました。
おひゃくしょうさん は、おきあがって、
「だれだね、 と を たたく のは?」 と、たずねました。
「わたしですよ」 と、 こびと は こたえました。
「びーる を おかえし に きたんです。
ちかしつ へ おいて おきます よ。 それから おれい に、 うまい まほう を かけて おきます から ね。
あなた が もし たる の なか を のぞきこみ さえ しなければ、 たる から は、 いつでも あなた の ほしいだけ びーる が でてきます。
いつまで たって も からっぽ に なりません よ」
それは、 ほんとう でした。
たる から は、 いくら ついでも びーる が でてくる のです。
そのかわり、 もちろん だれ ひとり、 たる の なか を のぞいて みる もの は ありません でした。
ところが あるとき、 この いえ に あたらしい じょちゅうさん が きました。
(あの たる から は、 どうして いくらでも びーる が でて くる の かしら?)
と、 じょちゅうさん は ふしぎ に おもいました。
じょちゅうさん は たる の なか に、 あと どのくらい あるか のぞいて やろう と おもいました。
ところが たる の なか を のぞいた とたん、 じょちゅうさん は びっくり して おもわず、
「きゃあーっ!」
と、 さけび ました。
なんと たる の なか は、 かえる で いっぱい だった の です。
このとき から と いうもの、 たる の なか の びーる は なくなって しまいました。
おしまい
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