きんぎょ

ちょうない　の　こどもたち　が、　おけ　に　はいっている　きんぎょ　の　およぐ　の　を　みて、　わいわい　さわいで　おりました。

「こっち、　こっち　だ！」

「あれっ、　また　みずくさ　の　なか　に　かくれて　しまった　ぞ！」

「うしろ　から　つついて、　だして　やれ　よ」　

すると　そこ　へ、　きんじょ　の　おとこ　が　やってきて　いいました。

「どれどれ、　どんな　きんぎょ　を　かって　きた　の　だ　ね？」

おとこ　が　のぞきこむ　と、　おけ　の　そと　で　きんぎょ　が　いっぴき、　くち　を　ぱくぱく　させながら　くるしそう　に　あえいで　います。

おとこ　は　おどろいて、　こどもたち　に　ききました。

「おいおい、　どうして　こんな　ところ　に、　きんぎょ　を　おいた　まま　に　して　おく　の　だ？」

すると　こどもたち　は、

「その　きんぎょ　は　ね、　くるしそう　に　よこ　に　なって　およいで　いた　の。

だから　ちょっと　の　あいだ、　そと　で　ねかせて　やすませて　いるんだ　よ」

と、　いった　そうです。

おしまい