この おはなし を よみました ♪
『かさ じぞう』 にほん の むかしばなし
かさ じぞう
ある とし の おおみそか の こと です。
おじいさん と おばあさん は、 ふたり で かさ を つくりました。
それを まち へ もって いって うり、 おしょうがつ の おもち を かう つもり です。
「かさ は いつつ も あるから、 もち ぐらい かえる だろう」
「おねがい します ね。 それから、 こんや は ゆき に なります から、 き を つけて ください よ」
おじいさん は、 いつつ の かさ を もって でかけ ました。
いえ を でて まもなく、 ゆき が ふって きました。
ゆき は だんだん はげしく なった ので、 おじいさん は せっせ と みち を いそぎ ました。
むら はずれ まで くると、おじぞうさま が むっつ ならんで たって います。
おじぞうさま の あたま にも かた にも、 ゆき が つもって います。
これを みた おじいさん は、 そのまま とおり すぎる こと が できません でした。
「おじぞうさま。 ゆき が ふって さむかろう な。 せめて、 この かさ を かぶって くだされ」
おじいさんは おじぞうさま に、 うる つもり の かさ を かぶせて やりました。
でも、 おじぞうさま は むっつ なの に、 かさ は いつつ しか ありません。
そこで おじいさんは、 じぶん の かさ を ぬいで、 さいご の おじぞうさま に かぶせて やりました。
いえ へ かえる と、 おばあさん が びっくり して いいました。
「まあ まあ、 ずいぶん はやかった です ねぇ。 それに、 おじいさん の かさ は どうしました?」
おじいさん は、 おじぞうさま の こと を はなして やりました。
「まあ まあ、 それは よい こと を しました ねえ。 おもち なんて なくて も いいです よ」
おばあさん は、 にこにこ して いいました。
そのよる、 よなか だ と いう のに、 ふしぎ な うた が きこえて きました。
♪ じいさん の いえ は どこ だ。
♪ かさ の おれい を、 とどけ に きた ぞ。
♪ じいさん の いえ は どこ だ。
♪ かさ の おれい を、 とどけ に きた ぞ。
うたごえ は どんどん ちかづいて、 とうとう おじいさん の いえ の まえ まで くる と、
ずしーん!
と、 なにか を おく おと が して、 そのまま きえて しまいました。
おじいさん が そっと と を あけて みる と、 おじいさん の あげた かさ を かぶった おじぞうさま の うしろすがた が みえました。
そして いえ の まえ には、 おしょうがつ の おもち や ごちそう が、 やま の よう に おいて ありました。
おしまい
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