かぐや ひめ
昔 ある ところ に、 やさしい おじいさん と おばあさん が 住んで いました。
ある日、 おじいさん が 裏 の 山 に 竹 を 切り に 行きました。
すると、 一本 の 竹 が、 ぴかぴか 光って いました。
「おや、 あの 竹 は どうしたんだろう。 ぴかぴか 光って いる ぞ」
おじいさん が 竹 を 切ってみる と、 中 に 小さな 女の子 が 入って いました。
「おやおや、 小さくて 可愛い 女の子 だ。 さあさあ、 おいで」
おじいさん は、 その 女の子 を 家 に 連れて 帰りました。
おじいさん と おばあさん は、 女の子 に かぐや姫 と 名前 を 付けて、 大切 に 育てました。
かぐや姫 は、 みるみる 大きく なり、 そして きれい な お姫さま に なりました。
かぐや姫 の 美しさ は、 評判 に なり、 たくさん の 男達 が 贈り物 を 持って
かぐや姫 を お嫁さん に したい と 言って 来ました。
おかげで、 おじいさん と おばあさん は、 大金持ち に なりました。
けれども かぐや姫 は、誰 の お嫁さん にも なろう と しません。
男の人達に、 次 から 次 へ 難しい 問題 を 出して 困らせました。
かぐや姫 は、 だんだん 元気 が 無くなって きました。
夜 に なる と、 いつも 月 を 見ながら 泣いて いました。
おじいさん と おばあさん が 心配 して かぐや姫 に 訊ねました。
「かぐや姫 や、 どうして 月 を 見て は 泣いて いるんだい」
すると かぐや姫 は 答えました。
「私 は、 本当 は 月 から 来た 者 です。
もうすぐ 月 から お迎え が 来て、 月 に 帰らなければ ならない のです。
優しい おじいさん と おばあさん に お別れ する の が 辛くて 泣いて いる のです」
驚いた おじいさん と おばあさん は、 時 の 天皇 (帝) に かぐや姫 の 話 を しました。
とうとう、 かぐや姫 を 月 から 迎え に 来る 日 が やってきました。
帝 も、 かぐや姫 が 好き だった ので、 たくさん の 侍 で かぐや姫 を 守りました。
まん丸い お月さま が 天 高く 昇りました。
すると 月 が きらきら 輝き、 お供 の 人達 に 囲まれて、 きれい な 牛車 が 降りて きました。
侍達 が、 弓 で 射よう と しました が 強い 光 に 目 が くらんで 何 も 見えません。
「おじいさん、 おばあさん、 長い 間 可愛がって くださって ありがとう ございました。
私 は これから 月 へ 帰らなければ なりません。
どうか、いつまでも お元気 で。 さようなら」
かぐや姫 は、 涙 を 流しながら、 おじいさん と おばあさん に お別れ を 言う と、
月 から の 牛車 に 乗って、 天 に 昇って 行きました。
おしまい