この おはなし を よみました ♪
『 かちかち やま 』 にほん の むかしばなし
かちかち やま
むかし、ある ところ に おじいさん と おばあさん が すんで いました。
あるひ の こと、 おじいさん が はたけ に いく と いたずらもの の たぬき が、 はたけ の いも を ぬすんで たべてしまいました。
「こら、 わるい たぬき め」
おじいさん は たぬき を つかまえて、 しばって いえ に つれて かえりました。
いえ に かえった おじいさん は、 てんじょう から たぬき を つるして おきました。
「おばあさん や、 はたけ で いたずらもの の たぬき を つかまえて きた よ。
しばらく こうして こらしめて やろう」
おじいさん は、 おばあさん に そう いう と、 また はたけ へ でかけて いきました。
おじいさん が でかけると、 たぬき は おばあさん に いいました。
「おばあさん、 なわ が いたくて たまりません。 どうか すこし ゆるめて ください。」
おばあさん は、 やさしい ひと だった ので、
「おやおや、 それは かわいそう に。 すこし だけ ゆるめて あげよう」
と いって、 なわ を ゆるめて あげました。
すると、 たぬき は すばやく なわ を ほどいて、 おばあさん に うちかかり ました。
「やーい、 だまされた。 しかえし に、 こうして やる」
たぬき は、 おばあさん を なんども たたいて から、 にげて いって しまいました。
おばあさん は、 おおけが を して ねこんで しまいました。
そこへ、 おばあさん と なかよし の うさぎ が おみまい に やって きました。
はなし を きいた うさぎ は おこりました。
「よーし、 わるい たぬき め。 しかえし して やる。」
うさぎ は、 たぬき の いえ に いって いいました。
「たぬきさん、 たぬきさん、 やま に たくさん おいしい きのこ が でて いる よ。
いっしょ に いって ごちそう を つくって たべないか」
「それは うまそう だ。 いっしょ に いこう」
「じゃあ、 ぼく は なべ を もつ から、 たぬきさん は しば を せおって くれないか。」
こうして たぬき と うさぎ は やま へ のぼって いきました。
しばらく いく と、 うさぎ は たぬき の せおった しば の ところで、 ひうちいし を うちました。
「かちっ、 かちっ」
「あれ、 かちっ、かちっ って おと が した けど なんの おと だい?」
と、たぬき が ききました。
「それ は ね、 ここ が かちかちやま だから さ。」
と うさぎ が こたえました。
しばらく すると、 しば に ひ が つき、 ぼうぼう と おと を たてて もえ はじめました。
「あれ、 ぼうぼう って おと が している けど、 なんの おと だい?」
と たぬき が ききました。
「それ は ね、 ここ が ぼうぼうやま だから さ」
と うさぎ が こたえました。
そのうち、 たぬき の せなか まで ひ が ついて いきました。
「あっちっちっちっち」
たぬき は おおやけど を して しまいました。
しばらく して、 また うさぎ が たぬき の いえ に やってきました。
「たぬきさん、 たぬきさん、 もう やけど は なおった かい。?」
「まだ いたい けど、 だいたい なおった よ。」
「じゃあ、 うみ に さかなとり に いかないか?
おいしい さかな が いっぱい いる よ。
「それは おいしそう だ。 よし、 いこう」
と たぬき は こたえました。
そこで、 たぬき と うさぎ は ふね を つくる こと に しました。
「たぬきさん、 ぼく は き で ふね を つくる けど、 たいへん だから たぬきさん は どろ で つくる と いい よ。」
と、 うさぎ は たぬき に すすめました。
そこで、 たぬき は どろ で ふね を つくりました。
ふね が できあがる と、 さっそく うみ に のりだし ました。
ふね から あみ を なげる と、 たくさん の さかな が とれました。
たぬき は おおよろこび しました。
ところが、 たぬき の ふね は どろ で つくって ある ので、 だんだん とけて きました。
そして、 とうとう しずんで しまいました。
「うわー、 たすけて くれ、 ふね が しずんで しまった よ」
「おばあさん を いじめた ばつ だ」 と うさぎ は いいました。
「ごめんなさい、 ごめんなさい。 もう にど と わるさ は しません。
どうか、 たすけて ください。」
たぬき が いっしょうけんめい あやまった ので、 うさぎ は たぬき を たすけて あげました。
そして、 たぬき を つれて おじいさん と おばあさん の いえ に いきました。
「おじいさん、 おばあさん、 このまえ は わるい こと を しました。
どうか ゆるして ください。」
と、 たぬき が あやまった ので、 それから は みんな なかよく くらしました。
おしまい
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