この おはなし を よみました ♪
『がりばー の ぼうけん』 せかい の むかしばなし
がりばー の ぼうけん
むかし むかし、 ある ところに、 がりばー と いう わかもの が いました。
がりばー は うみ が すきで、 ふね に のりこんでは、 あちら こちら と たび を つづけて います。
ところが ある とき、 はげしい あらし に まきこまれて、 ふね は しずんで しまいました。
さて、 どれくらい たった の でしょう。
うみ に なげだされた がりばー が、 ふと き が つくと、 からだ を なわ で しばられて じめん に ねかされて いました。
あたり を みまわすと、 なんと、 かぞえきれない ほど の こびとたち が あつまって いる のです。
「なんと、 しらないうち に、 こびと の くに へ ながれ ついた と いうわけ か」
こびと たち は がりばー を ろうや へ はこぶ と、 にげだせない よう、 くさり で ぐるぐるまき に しばりあげて しまいました。
それから なんにち か たった ある ひ、 こびと の おうさま が、 がりばー を みに やってきました。
「おうさま!」 がりばー は、 おうさま に いいました。
「あばれたり は しません から、 どうか、 くさり を はずして ください」
「・・・ふむ。 からだ は おおきい が、 おまえ は わるもの では なさそう だ。 のぞみ を かなえてやる と しよう」
「ありがとうございます」
よろこんだ がりばー は、 まち の けんぶつ に でかけました。
こびと の まち の たてもの は、 とても ちいさい もの ばかりで、 がりばー は たてもの や ひと を ふみつぶさないよう、 した ばかり むいて います。
さて、 そんな ある ばん、 おしろ で かじ が おこりました。
「これ は たいへん。 ・・・そう だ」
ふと おもいついた がりばー は、 じぶん の ぼうし で いけ の みず を すくうと、 おしろ の うえ へ ばしゃん と かけました。
「すごい、 あっというま に、 ひ を けして しまった ぞ」
がりばー の にんき は、 ますます たかまる ばかり です。
そこ へ、 しらせ が とどきました。
うみ の むこう の こびとたち が、 こちら の くに へ せめこんで くる と いう のです。
がりばー が もっていた ぼうえんきょう で のぞいて みると、 うみ の うえ には、 てき の くに の こびと の のった ふね が ぎっしり です。
「よし、 わたし に まかせて ください」
がりばー は、 つりばり の ような もの を たくさん つくると、 それ を もって うみ ヘ はいって いきました。
「わあ、 おお おとこ だあ!」
びっくり した てき の くに の こびとたち は、 びゅんびゅん と や を とばして きます が、
「なんの これしき。 さあ、つかまえて やる ぞ」
がりばー は つりばり を ふね の ひとつ ひとつ に ひっかける と、 ぜんぶ まとめて、 はまべ へ ひっぱり あげて しまいました。
それ を みた てき の くに の おうさま は、
「まいりました。 にどと せめこんだり は しません から、 ゆるして ください」
と、 あやまって きた のです。
こびとたち は よろこんで、 がりばー を ほめたたえ ました。
「ばんざい、ばんざい。 がりばー、ばんざい」
ところが また、 こまったこと が おこりました。
ある ひ、がりばー と なか の よい こびとたち が、 がりばー の ところ へ はしって きた のです。
「たいへん です。 おうさま と だいじん が、 がりばーさん を ころす そうだん を しています。
このまま だ と、がりばーさん が おうさま に なる かも しれない から って」
「それ は たいへん。 でも、 どうすれば いい のだろう?」
「だいじょうぶ です。 いっしょ に はま まで きて ください」
みる と はまべ の いわ の かげ に、 いっそう の おおきな ぼーと が かくして ありました。
「これ に のって、 あなた の くに へ おかえりなさい。 ぶじ に かえれるよう、 みんな で おいのり しています から」
「ありがとう。 みんな の こと は わすれないよ」
こうして がりばー は、 ぶじ に ふるさと の いえ へ もどること が できた のです。
おしまい
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