この おはなし を よみました ♪
『 びんぼうがみ と ふくのかみ 』 にほん の むかしばなし
びんぼうがみ と ふくのかみ
むかし、 むかし とても はたらきもの の ふうふ が すんで いました。
でも はたらけど、 はたらけど くらし は いっこう に らく に なりません でした。
「もう びんぼう に は こりごり だ。 どうして こんな に びんぼう なんだろう。
さけ も のみたい し、 おまえ に きもの も かって やりたい。 たまには まち に も いきたい。」
「そんな こと いっても しかた が ない わ。 とにかく はたらき ましょう。」
ふうふ は むら いちばん の はたらき もの でした。
でも びんぼう です。 あさ から ばん まで はたけ で はたらいて、 いえ で は わらぐつ や かご を あんで いました。
ある おおみそか の こと です。 かみだな の まえ で おくさん が いいました。
「かみさま、 ことし は わずか です が おかね が たまり、 おもち を つくる こと が できました。」
その とき です。 やねうら で なきごえ が しました。
「そこ で ないて いる の は だれ だ。」
やねうら から かお を だした の は びんぼうがみ でした。
「そうか、 おまえ が いる から おれたち は びんぼう なんだ。 でも どうして ないて いるんだ。」
「ことし は おまえたち が いっしょうけんめい はたらいた から、
わたし は もう この いえ に は いられない。
まもなく ふくのかみ が やってくる こと に なって いる。」
「それじゃ、 おいかえして ここ に いれば いいじゃないです か。」
「でも はら が へって、 ちから が でない。」
「げんき を おだし! この もち と さかな を たらふく たべなさい。」 と おくさん が はげましました。
「うわ、 こんな に おいしい もの は はじめて です。 もっと たべて いい です か。」
たべて、 たべて、 びんぼうがみ は げんき が からだ に みなぎり、 ふくのかみ を おいだす ゆうき も でてきました。
すもうとり の ように しこ を ふみました。
さて、 ふくのかみ が ゆっくり と いえ の まえ まで やって きました。
「おお、 この いえ だ。」
そして いりぐち を たたき ました。
「われ こそ、 ふくのかみ じゃ。 この いえ に ふく を あたえ に やってきた。
びんぼうがみ は さっさ と たちさりたまえ。」
「いや じゃ。 この いえ から は いっぽ も はなれない ぞ。
この いえ の あるじ が ふくのかみ は おいかえせ と いって くれた。」
「びんぼうがみ、 ふくのかみ に まける な。 がんばれ。」 と おくさん が せいえん を おくりました。
「いったい どう なって いるんだ。 びんぼうがみ の みかた を する と は。」
びんぼうがみ は ふくのかみ に とびかかる と そと に なげとばしました。
「こんな いえ に は にど と きて やらない ぞ。」
ふくのかみ は いってしまいました。
そして 「うちで の こづち」 を わすれて いきました。
「おや、 これ は うちで の こづち じゃ。 これ が なければ、 ふくのかみ は もう ふくのかみ で は ない。
そして これ が あれば、 もう わたし は びんぼうがみ で は ない。
われ こそ ふくのかみ じゃ。」 と びんぼうがみ、 いや ふくのかみ は いいました。
「これ は、 うちで の こづち と いう もの です。
のぞみ を かなえて くれます。 なにか ほしい もの は ありませんか。」
ふたり は かお を みあわせ ました。
ほしい もの は こめだわら と きれい な きもの と すこし の おかね です。
「われ は きょう より ふくのかみ。」 と いって のぞみ を かなえて やる と また やねうら に もどって いきました。
ふたり は そのご も いっしょうけんめい はたらいて すえながく しあわせ に すごしました。
おしまい
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