あんぜん　すいえい ほう

 いま　も　むかし　も、　なつ　の　ごらく、　あそび　と　いえば　すいえい　です　が、　むかし　は　かいすいよくじょう　や　ぷーる　など　は　なく、　かわ　や　いけ　で　およいで　いた　ため、　みず　の　じこ　が　たいへん　おおく　ありました。

そのため　なつば　に　なる　と、　およぎ　じまん　が　おしえる　すいえいきょうしつ　が　はやった　そうです。

さて、　ちかごろ、　まち　の　おもてどおり　に　『あんぜん　すいえい　しなん　じょ』　と　いう　すいえいきょうしつ　が　できた　と、　わかもの　の　あいだ　で　ひょうばん　に　なりました。

に、さんにん　が、　よりあつまる　と、

「さいきん　は　みず　の　じこ　が　おおい　から　な。　

どうだい？　　あんぜんすいえい　と　やら　を、　ならい　に　いこう　じゃないか」

と、　いう　こと　に　なりました。

そこで　　『あんぜん　すいえい　しなん　じょ』　に　きて　みます　と、　　　けっこう　な　にんずう　の　わかもの　が　あつまって　います。

わかもの　たち　が　ふんどし　いっちょう　で　ならんで　いる　と、　よく　ひやけ　を　した　すいえい　の　ししょう　が　あらわれました。

「よし、　そろって　おる　な。　

では　これより、　あんぜんすいえい　を　しなん　しよう」

わかものたち　は、　どういう　ふう　に　ならう　のか　と　きょうみ　しんしん　です。

すると　ししょう　は　ふで　に　すみ　を　つけて、　みんな　の　あしくび　の　あたり　に　よこすじ　を　つけました。

「あの、　せんせい。　この　しるし　は　いったい？」

ひとり　の　わかもの　が　たずねる　と、　すいえい　の　ししょう　が　こたえました。

「これ　が　あんぜんすいえい　の　ひけつ　じゃ。　これ　より　ふかい　みず　に　はいらなければ、　おぼれる　しんぱい　なし」
 

おしまい